「転職したいけど、また変な会社に入ったらどうしよう。」
「求人票のどこを見ればブラックかどうかわかるの?」
そう思って調べてますよね。わかります。運送業界で転職を繰り返しているドライバーの話を聞くと、ほぼ必ず「最初の会社選びで失敗した」という話が出てきます。
私は25年以上大型トラックに乗ってきて、いい会社も、それなりの会社も、正直しんどかった会社も経験しました。ガソリンスタンドや修理工場での整備経験があるぶん、車両管理の実態からも会社の体質は読めます。その目線で、業界の内側から「ここを見ろ」というポイントを伝えます。
転職サイトには書いてないリアルな話をします。
まず知っておくべき「運送業界の構造的な問題」
ブラック運送会社がなくならない理由は、会社が悪質なだけじゃありません。業界の構造そのものに問題があります。
荷主(送り主の会社)が強く、運送会社は運賃をなかなか上げられない。運賃が上がらないから、人件費を削る。人件費を削るから、残業でカバーさせる。この負のループが、特に中小の下請け・孫請け会社に多く見られます。
業界の内側から
元請けの大手から仕事を請けている2次・3次の下請け会社は、運賃がすでに中抜きされた状態からスタートしています。その中からドライバーの給料を出さないといけないので、どうしても薄くなる。求人票に「大手荷主と直契約」と書いてある会社と、そうでない会社では、同じ仕事量でも年収が数十万円変わることがあります。
ブラック運送会社の見分け方8選
求人がずっと出ている
半年以上同じ求人を出し続けている会社は、入っては辞めを繰り返しているサインです。特にハローワークや求人サイトで「急募」「即日勤務可」が常態化している会社は要注意。優良な会社は募集をかけてすぐ埋まります。
基本給の記載がなく「月収◯◯万円以上可能」だけ
前の記事でも書きましたが、これは残業・深夜・歩合をフル乗せした最大値です。基本給を聞いてみると20万円台前半、なんて会社がザラにある。「月収40万円以上可能」の求人で、基本給が22万円だったことを私自身も経験しています。必ず「この月収の内訳を教えてください」と確認しましょう。
雇用契約書を面接時に見せない・口頭だけで済ませようとする
雇用契約書がない、または「入社してから渡す」という会社は危険です。勤務時間・給料・休日が口約束になり、後からトラブルになっても証拠がない。労働条件通知書も含め、書面での確認を拒む会社とは契約しないほうがいい。
事故の修理費・弁償をドライバー負担にする
業務中の事故で生じた損害を、ドライバー個人に全額負担させるのは原則として違法です。過失がある場合でも、会社側が賠償責任を負うのが基本。面接で「事故の際の自己負担ルール」を聞いてみてください。明確に答えられない、または「全額本人負担」と言う会社は避けた方がいい。
運行記録(タコグラフ)の改ざんを当たり前にやっている
これは完全に違法です。出発時間の調整、チャート紙の差し替え、デジタコのデータ書き換え。こういうことを会社ぐるみでやっている運送会社は今でも存在します。見分け方は難しいですが、入社前に「デジタコの記録はどう管理していますか?」と聞いてみるとニュアンスが出ることがあります。
年間休日が100日以下・有給が取れない雰囲気
年間休日数は求人票に必ず書いてあります。105日を下回ってくると、実質的な休日が少ない会社です。さらに「有給はあるけど取れない」という会社も多い。面接で「有給消化率は何%くらいですか?」と聞いてみてください。答えに詰まる会社は取れないと思ったほうがいい。
車両整備が雑・トラックが古くてボロボロ
これは整備経験のある私からのポイントです。見学に行ったとき、駐車場のトラックをちらっと見てください。外装の傷だらけ、タイヤの磨耗がひどい、清掃されていない車両が多い会社は、整備管理にコストをかけていません。整備を大切にしない会社は、ドライバーへの扱いも雑な傾向があります。
2024年問題への対応を何も考えていない
2024年4月から時間外労働の上限規制(年960時間)が適用されています。これに対して「基本給を上げる」「運行計画を見直す」など具体的な対応をしている会社は前向きです。「うちは関係ない」「残業してもらうしかない」というスタンスの会社は、法令遵守の意識が低い。面接で「2024年問題後、労働環境はどう変わりましたか?」と聞いてみるといい返答の差が出ます。
優良な運送会社を見分けるポイント
ブラックの見分け方だけでなく、逆側の「いい会社のサイン」も知っておきましょう。
| 確認項目 | ホワイト寄り | ブラック寄り |
|---|---|---|
| 基本給の明示 | 明確に金額が書いてある | 「月収◯◯万円以上可能」だけ |
| 荷主との関係 | 大手直契約・専属契約 | 多重下請け・孫請け |
| 年間休日 | 105日以上 | 100日以下 |
| 車両の状態 | 新しい・清潔・整備が行き届いている | 古い・傷だらけ・汚い |
| 離職率・採用状況 | 募集が少ない・採用に時間をかける | 常時求人・即日採用OK |
| 2024年問題への対応 | 基本給アップ・運行見直しを実施済み | 「うちは大丈夫」で具体策なし |
面接で使える「本音を引き出す」質問リスト
面接は会社があなたを選ぶ場でもありますが、あなたが会社を選ぶ場でもあります。これを聞けばだいたいわかります。
- 「この月収の内訳を、基本給・手当・残業代に分けて教えてもらえますか?」
- 「年間休日は何日ですか?有給の消化率はどのくらいですか?」
- 「業務中に事故が起きた場合、費用負担はどういうルールになっていますか?」
- 「デジタコの記録管理はどのように行っていますか?」
- 「2024年の労働時間規制後、給与体系や運行計画はどう変わりましたか?」
- 「ドライバーの平均勤続年数はどのくらいですか?」
最後の「平均勤続年数」は特に重要です。3年以下が多い会社は、入っては辞めているサインです。答えをはぐらかす会社は、それだけで十分なシグナルになります。
業界の内側から
私が転職するときに一番参考にしたのは、その会社のトラックの状態でした。面接前に駐車場をぐるっと回って、タイヤの状態・車体の傷・エンジンルームの汚れ具合を見る。整備にお金をかけている会社は、ドライバーにもちゃんとお金をかけている。逆に、ボロボロのトラックを走らせている会社は、経費を絞りに絞っています。これはほぼ例外がありませんでした。
まとめ:転職で失敗しないために
- 「求人がずっと出ている」会社は離職率が高い可能性が高い
- 月収の最大値だけ書いている会社は必ず基本給の内訳を確認する
- 雇用契約書・労働条件通知書を書面で渡さない会社とは契約しない
- 事故の自己負担ルール・有給消化率は必ず面接で確認する
- 車両の整備状態はその会社の体質を映す鏡
- 2024年問題への具体的な対応策を持っている会社を選ぶ
- 平均勤続年数を聞く。答えをはぐらかす会社は避ける
運送業界全体がホワイト化に向けて動いているのは本当のことです。ただ、まだ全部が変わっているわけじゃない。自分の身は自分で守るしかありません。
ブラック会社を避けるための一番の近道は、「エージェントをうまく使う」ことです。ドライバー専門のエージェントは、会社の内情をある程度知っていて、ブラック会社の求人を最初から弾いてくれるケースがあります。一人で求人票を読み込むより、はるかに安全に転職できます。
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