トラックドライバー歴25年の私が転職についてや日常 のあれこれをつづります

長距離トラックドライバーの夜間走行リアル|睡眠・食事・孤独の実態を25年ドライバーが語る

長距離トラックドライバーの夜間走行リアル|睡眠・食事・孤独の実態を25年ドライバーが語る

「長距離って、夜はどうやって過ごしてるの?」
「睡眠とか食事とか、体ぶっ壊れないの?」

転職を考えている人からよく聞かれます。外から見ると、夜中にトラックで走り続けるのがどういう生活なのか、想像しにくいですよね。

私は長距離幹線輸送を数年やっていました。大阪から関東、九州から名古屋。月の半分以上が車中泊という時期も経験しています。きれいごとなしで、実際の夜間走行の実態を書きます。

長距離ドライバーの「夜の仕事」はこんな流れ

長距離幹線輸送の場合、出発時間は夕方〜深夜が多いです。荷主の倉庫から積み込んで、夜中に高速を走り、早朝に目的地の倉庫に着く。これが基本パターンです。

  • 17:00 会社出発・積み込み荷主倉庫で積み込み。フォークで積む場合もあれば、手積みの場合も。出発前の点検もここに含まれる。
  • 19:00 高速道路へ夜間走行スタート。交通量が少なく走りやすい時間帯。ただし眠気との戦いが始まる。
  • 22:00 SA・PAで休憩・仮眠法定の休憩を取りつつ、眠気があれば仮眠。駐車スペースが埋まっていて停められないこともある。
  • 02:00 深夜の魔の時間帯眠気が一番強くなる時間。ここをどう乗り切るかがベテランとの差が出る。
  • 05:00 目的地の倉庫着・荷卸し待ち早朝着が多い。倉庫が開くまで待機することも。この「待ち」がしんどい。
  • 07:00 荷卸し完了・帰路または休息帰り荷があれば折り返し。なければその場でSAや道の駅で仮眠して帰る。

睡眠のリアル|「寝られない」が一番きつい

5時間51分 (中長距離ドライバーの平均睡眠時間)

厚労省推奨の6時間を下回る。中途覚醒時間は平均69分。

出典:大正製薬・ウェアラブルデバイスによる睡眠調査(2025年10月)

数字で見るとわかりますが、長距離ドライバーは慢性的な睡眠不足です。しかも「寝た」つもりでも中途覚醒が多く、睡眠の質が低い。

SAで仮眠しようとしても、うるさくて眠れない

大型トラックがたくさん停まっているSAの駐車場は、アイドリング音・冷凍車のエンジン音・他のトラックのドアの開け閉め音が24時間続きます。耳栓をしても完全には防げない。私が長距離をやっていたころ、本当に熟睡できたのは道の駅の比較的静かな場所くらいでした。

駐車スペースが埋まって停められない

調査では約9割のドライバーが「SAやPAに駐車できず、義務付けられた休息時間を守れなかった経験がある」と回答しています。休もうと思っても停める場所がない。これが現実です。特に深夜の東名・名神の人気SAは争奪戦です。

夏は暑くて冬は寒い、車内温度との戦い

アイドリングをずっとかけていると燃料を食うし、会社から「アイドリングを減らせ」と言われる。かといって止めると夏は蒸し風呂、冬は冷凍庫。充電式の毛布や小型扇風機、遮光カーテンは長距離ドライバーの三種の神器です。私もサブバッテリーを後付けして快適にしていました。

業界の内側から

睡眠不足の状態で大型トラックを運転することは、飲酒運転と同じリスクがあると研究で示されています。わかっていてもやらないといけない状況に追い込まれるのが、この業界の構造的な問題です。だからこそ「無理に走らせない会社かどうか」を転職前に確認することが、命に関わる重要な判断になります。

食事のリアル|「いつ・どこで・何を食べるか」が毎回課題

深夜2時に開いているのはSAのフードコートだけ

一般道を走っている場合、深夜に飲食店を探すのはかなり難しい。24時間営業のコンビニが唯一の味方です。SAのフードコートは深夜でも開いていることが多いですが、高速を降りてしまうと再乗車に料金がかかるので、一度降りたら引き返せない。食事のタイミングと場所は、常に計算しながら走っていました。

車内で自炊する「トラック飯」文化がある

長距離ドライバーの間では「トラック飯」と呼ばれる車内調理が定番です。カセットコンロ・小型炊飯器・電気ポットをキャビン(運転席後ろの就寝スペース)に積んで、カップ麺・レトルトカレー・インスタント味噌汁を作る。私もよくやっていました。深夜のSAで湯気を立てながら食べるカップ麺は、なんとも言えない旨さがあります。

食生活が乱れて体重・血圧が上がりやすい

夜中に食べて、昼間に寝る生活を続けると、代謝リズムが崩れます。コンビニ飯・外食・食事時間の不規則さが重なって、長距離をやっていた時期に体重が増えた。周りのドライバーも血圧が高い人が多かった。健康管理を意識的にやらないと、体が確実についてこなくなります。

孤独のリアル|誰とも話さない日が続く

長距離は一人の仕事です。出発から到着まで、基本的に誰とも話しません。

配送先の担当者と「お疲れ様です」と一言交わすくらい。無線やスマホで会社と連絡は取りますが、それも業務連絡だけ。

「孤独が得意な人」と「苦手な人」でこの仕事の評価が真逆になる

一人の時間が好きな人にとって、長距離は天国です。誰にも邪魔されず、好きな音楽を聴きながら、景色を楽しみながら走れる。私は基本的に一人が苦にならないタイプだったので、長距離の孤独感はむしろ気楽でした。ただし、コミュニケーションが好きな人、人と話すことでエネルギーをもらうタイプの人には相当しんどい。

家族との時間がどんどん減っていく

月の半分以上が外泊だった時期、子どもの顔を見られない日が続きました。運動会も見に行けない、誕生日も家にいない。「稼げているから仕方ない」と自分に言い聞かせていましたが、後から振り返ると、あの時間は返ってこない。家族がいる人で長距離を選ぶなら、家族との丁寧な話し合いが必要です。

深夜2時の高速、一番きつい「孤独な時間」

眠くて、疲れていて、誰とも話せない。深夜2時ごろの高速道路が、長距離ドライバーの精神的に一番しんどい時間帯です。音楽を変えたり、ガムを噛んだり、窓を開けて外の空気を吸ったり。それぞれが自分なりの乗り越え方を持っています。私はその時間にラジオをかけていました。誰かの声が聞こえるだけで、だいぶ違う。

それでも長距離を続けた理由

きつい話ばかり書きましたが、長距離をやっていてよかったこともあります。

  • 日本各地の夜明けの景色を見られた。富士山の朝焼け、瀬戸内海の夜明け。あれは他の仕事では味わえない。
  • 各地のSAのご当地メニューや道の駅の地元食材を楽しむ、それだけで走るモチベーションになっていた。
  • 長距離手当・深夜手当が積み上がり、地場配送より年収が確実に上がった。
  • 誰にも邪魔されない時間の中で、人生についていろいろ考えられた。

長距離は「向き不向き」がはっきり出る働き方です。合う人には最高、合わない人には地獄。転職前に「自分が一人の時間を楽しめるか」を正直に考えてみてください。

まとめ

  • 長距離ドライバーの平均睡眠時間は5時間51分。慢性的な睡眠不足が現実
  • SAの騒音・駐車スペース不足・車内温度が睡眠の質を下げる三大要因
  • 食事はコンビニ・SAフードコード・車内「トラック飯」が中心。食生活の乱れに注意
  • 孤独が得意な人には向いている仕事、苦手な人には相当きつい
  • 家族がいる人は、家族との十分な話し合いなしに長距離を選ばないほうがいい
  • 長距離手当・深夜手当で地場より年収は上がる。ただし体と時間との引き換え

長距離か地場かを迷っているなら、ドライバー専門のエージェントに相談してみてください。自分のライフスタイルに合った働き方の会社を紹介してもらえます。

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